足のほてりや冷えが取れてぐっすり熟睡
1日中靴をはいて仕事をしたり、立ち仕事をしたりすると、足の裏は予想以上に疲れています。靴の中、靴下の中に押し込められている場合はなおさらです。
かつて日本人は、家の中でははだしか、足指が自由に動く足袋をはいていましたし、外出するときは下駄や草履ばきでした。たたみや板の間で足の裏は刺激され、履き物の鼻お緒で親指の股も適度に刺激されていたのです。
しかし現代は、足の裏を刺激する生活が少なく、足の裏が過保護になっています。足が熱くほてって寝つけないと訴える人が多いのも、足の裏の過保護によるものなのです。足の下に枕や座布団を敷いて足を1 げても足のほてりがおさまらない方は、最後にタワシ刺激法で毎晩足の裏の刺激不足を解消しましょう。
足の裏のタワシこすりのやり方
道具はキッチンで使う亀の子たわしです。いろいろなもので試してみましたが、皮膚の厚い足の裏にはタワシの弾力がもっともよく効きます。ふろ場でタワシをお湯でぬらし、深く握るようにしっかり持って、足の裏に押しっけ、やや強めの力でこすりましょう。
毎晩小さめのタワシでこすっていますが、これで「疲れが抜けた」と思えるほど全身がすっきり軽くなります。刺激する場所は、湧泉のツボを中心にこすります。湧泉は、土踏まずの先端窺指ゆうせんのつけ根のふくらみと小指側のふくらみが「人」の字の形に交わる箇所) で、五本の足指を曲げると、くぼむところにあります。1泉が湧くところ」と書くように、ツボの中でもたいへん重要なポイントであるツボです。
ハリ治療では、疲れを取ったり気持ちを落ち着けたり、むくみを取り除いたり、あるいは血圧を調整したりするなどの目的にこのツボに治療を施して
ます。このタワシ刺激法は、こする方向がポイけいらくントです。ツボは経絡(全身のみちすじ)上にあるのですが、経絡には方向があり、川レんけい湧泉が所属する経絡「腎経」は、以下の図の矢印の方向に走っていますので、タワシでこするときはこの流れに沿ってこすります。おふろで毎日左右約10~15回こすると足のほてりが鎮まり、心地よい眠りに入ることができます。なお、この方法は足が冷たくて眠れない人にも有効で、こするうちに足がぼかぽか温まり、ぐっすり眠れるようになります。