睡眠に対するやや強すぎるこだわりが不眠を招いてしまっているケースも
年を取って眠りが浅くなった、夜中に何度も目が覚めてしまう、など不眠に悩む高齢者がふえています。
実は、体が老化するように、睡眠にも老化があるそうです。高齢者の不眠をどう改善すればよいのかについては、不眠に悩む人にとってとても重要です。
若い20代なら、深夜や明け方に目が覚めることはほとんどありません。しかし40代、50代と年を取るにつれて、夜間に何度も起きるようになります。80代になると、比例してさらに増加します。夜は遅い時間まで眠れないのに、朝も早くから目が覚めてしまいます。
中途覚醒だけでなく、眠り自体も浅くなります。40代から、深い睡眠がへり始め、80代では、すっかりなくなります。中途覚醒が多く、眠りが浅い高齢者に、不眠の訴えが多いのは当然のことなのです。
厚生労働省の統計でも、病院に行くほどではない状態も含めて、よく眠れない人は、20.5人に1人の割合でいると報告されています。
加齢によって深い睡眠がへるのは、脳の神経の脱落とか、神経伝達速度の低下とか、神経伝達物質の分泌量の減少とか、さまざまな神経学的、生理学的な老化が複雑に絡み合ったものと思われます。体を動かす機会が減っていることもひとつの原因です。睡眠は、ある程度の体の疲労がないと思うように寝付けないのです。
高齢者では、仕事や家事の引退後、昼間に時問を持て余す場合が増えます。そのような生活では、昼問の活動量が低くなり、夜、眠れなくなるのは自然です。
よく入院をして1日中ごろごろした生活をしていると夜に全く眠れなくなるケースがあります。これは、ストレスや環境の変化なども影響するので、一概に体を動かさないことの原因にむすびつけるのはやや無理がありますが、入院により運動量が劇的に減少することもひとつの要因です。
また、その眠れないことに対するこだわりを持つ時間が多くあるので、昼間から、「体のためには眠らなければいけないのに、眠れない。どうすればいいのか」というようなことばかり考えがちになります。
生理学的には、リラックスした状態になることが、入眠の条件です。しかし、睡眠に対するこだわりが強くなっていると、どうしても緊張状態になり、眠れなくなってしまいます。
そのうえ、高齢になるとふえる中途覚醒も問題です。普通は、中途覚醒があっても、朝になれば忘れるのですが、不眠そのものに注意が強く向いていると、夜中、日が覚めたときに、「あ~また眠れていない」とストレスを抱えてしまいます。
そうなると、もうしっかり覚醒させる方向に脳が働き、ますます眠れなくなるという悪循環になってしまいます。年を取ったら、眠れないのはあたりまえと思ったほうがかえっていいようです。では、加齢による不眠にも、治療法はあるのでしょうか。
睡眠障害の治療には、その原因を明らかにすることが先決です。生活や仕事、家庭の状況、人間関係などをよく問いたり、睡眠日誌もつけてもらったりします。そのような調査から、昼寝が多く、あまり外出しない生活の人には、生活の心構えを少しずつ変えていくことも提案します。昼問に動く時問を多く取るようなことも大切です。
脳の覚醒をおさえる新薬も登場している
睡眠薬については、何をやっても眠れない場合の最終手段として、薬が必要な場合には、睡眠薬が必要になるケースもあります。ただし、最初は、眠れるのですが次第に薬が効かなくなるケースが多いのも事実です。
現在使われている睡眠薬のほとんどが、ベンゾジアゼピン系という種類のものです。この薬には、昼問の眠気という副作用があります。飲みすぎると、効果が翌日まで持ち越され、眠気、頭痛、倦怠感、脱力感などにさいなまれるのです。常用し続けると、依存が起こったり、同じ量では眠れなくなったりします。
不眠の治療に使われる薬はこちらです。
最近、オレキシンをターゲットにした、新しい作用機序の睡眠薬が登場しました。生理的な依存が起こりにくいので、注目されています」。オレキシンとは、脳の視床下部あたりから分泌されている神経伝達物質です。
「ナルコレプシー」という睡眠障害の研究を通じて、オレキシンは、覚醒の維持に重要な役割を担っていることが明らかになりました。ナルコレプシーとは、昼間でもすっと寝てしまう病気です。症状としては、夜間の不眠、頻繁な中途覚醒もあります。有病率は1000人に1人です。ナルコレプシー患者は、正常者に比べてオレキシン自体の産生量の低いことがわかってきました。その後の研究により、オレキシンの産生が低下していることが、覚醒の維持に障害のあるナルコレプシーの原因であろう、と考えられるようになっています。
今回、登場した新薬は、オレキシンが脳神経の受容体に結合するのを阻害し、その作用を抑制するものだそうです。
脳の覚醒状態を抑え、穏やかな眠りへと導く、新しい作用メカニズムの薬として期待されています。
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不眠やストレスなどの心の問題からの不調は脳内の「セロトニン」が
深く関係していることがわかっています。セロトニンの活動が弱ると様々な身体の不調を招きます。不眠もひとつの症状のあらわれです。
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酵素による細胞の代謝機能の克進、さらに免疫機能の回復と抗酸化作用による相乗効果に注目が集まります。そして、セロトアルファによる睡眠の質の向上に期待が集まります。
夜、ぐっすり寝られて、朝、すっきり目覚める、すなわち快眠は、すべての病気、その他の体の不調を癒し、健康を取り戻す土台となるものです。
そのためには、精神の安定にも寄与するセロトニンの活性化が不可欠となります。セロトアルファの画期的なところは、この脳内神経伝達物質の要ともいえるセロトニンの活性作用にすぐれ、薬に頼ることなく、セロトニンが活性化し、正常化の方向に働くことです。
夜ぐっすり寝られれば、睡眠薬からの離脱も可能となり、免疫機能もさらに安定。もちろん、疲れも取れて、活力の復活にもつながるでしょう。