レタス

古くから知られる催眠作用

サラダや料理のつけ合わせとしてすっかりおなじみのレタスですが、緑色をした球形のサラダ菜(ハレタス)、白くてキャベツ状のタマチシャ、サラダ菜とタマチシャの中間のようなサニーレタス、中国料理や韓国料理に使われるチシャなどが代表的なものです。

カルシウムでストレスを緩和するレタス | 食材のプロフィール

このレタスに、催眠効果があるのをご存じでしょうか。
眠れなくて因っているときに、手軽にレタスを食べることで健康的に熟睡を得ることができるのです。ここでは、台所にある健康的な睡眠薬、レタスの薬効についてご紹介しましょう。

レタスの原産地は、ヨーロッパです。その起源は古く、ギリシャ・ローマ時代にさかのぽりますが、レタスの持つ催眠効果はすでに紀元1世紀ごろにはわかっていたうです。
古代ギリシャの時代の『ギリシャ本草』という薬草の本には、「栽培されたレタスは、少しばかり体を冷やす作用があり、胃によく、また催眠作用がある」との記述があります。
これは、サニーレタスによく似ています。また、ローマ帝政期の将軍で、偉大な博物学者は、「ブラックレタスの一種に、眠りを誘う乳汁を含む小さなケシと呼ばれるものがある。もちろん、レタス類はすべてこの働きを持っている」と述べています。このように、昔からヨーロッパの人々はレタスの催眠効果を認め、代々知識として伝えてきました。その証拠に、ヨーロッパの一部では、今でも「レタスを食べれば眠れる」という言い伝えが残っているのです。

加熱してかさを減らしてから食べる

眠りを誘う乳汁は、ラクッシンやラクットピコリンという物質です。これらの成分は、体内に少し取り入れたときには、鎮痛効果を現し、たくさん取り入れると、麻薬効果を発揮することが研究で証明されています。
レタスの中でも、ヨーロッパ種のラクーツやピローサというレタスには、この成分が多く含まれていますが、日本では、これらの特殊なレタスはなかなか入手できません。
したがって、同様の効果があるサニーレタスやチシャで代用することになります。とくに、中国料理や韓国料理で使われるチシャは、サニーレタスとは形はほとんど同じですが、葉は濃い緑色で、中央脈が細く、催眠効果は抜群といわれています。

ところで、眠れないときにどれだけの量のレタスを食べれば熟睡できるのでしょうか。これには個人差がありますので、実際に自分で1~2度食べてみて決めるといいでしょう。ひどい不眠症の場合は、大きめのサニーレタス3個をスープで煮て、かさをへらしてから食べるようにするとよいでしょう。

レタスは、カロチンやカルシウム、鉄分などを含むので、肉や豆腐などのたんばく質といっしょにとると栄養のバランスが取れて健康作りにも役立ちます。副作用の心配の少ない自然の睡眠薬レタスを、安らかな眠りのためにぜひお役立てください。

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