睡眠薬不要でセルフカウンセリングで快眠できるようになる

「眠れないかも」という不安のせいで眠れない

寝付きが極端に悪い、眠りが浅くすぐに目が覚めてしまうなど、つらい症状の不眠に悩まされているかたもいると思います。

いちがいに不眠といっても、いろいろな種類があります。その中でもいちばんポピュラーなのが、実は「精神生理性不眠」という不眠症状です。
名前は難しいですが、これは「眠れないかも、と緊張してなかなか眠れない」という、多くのかたが経験したことのある状態のことです。

海外旅行の前日や重要なプレゼンの前日、早く眠りたいと思っているのに、ベッドに入ってもなかなか眠れない、という経験はだれでもあるものです。これぐらいでいちいち病院に行く必要はありませんが、このような緊張感や不眠が続いてしまうと、寝ることへの不安、心配が強まってきます。
そして、リラックスできるはずのベッドや布団の中なのに、逆に緊張するようになってしまう。これが、「精神生理性不眠」、俗にいう不眠症です。

「睡眠不足で失敗したら大変だ」と思うと、ますます眠れません

神経質に睡眠にこだわってしまうのも、「精神生理性不眠」の要因です。「今夜も眠れないんじゃないか」「明日は大切な商談があるのに、睡眠不足で失敗したら大変だ」「7時間眠らないと、健康に悪い」などの思い込みや不安、強迫的な考え方が、ネックになっています。

では、「眠れないかもという不安と緊張のせいで眠れない」=「精神生理性不眠」を克服するのはどうしたらいいのでしょうか?手っ取り早いのは、先に紹介したような薬剤です。

睡眠薬の服用で、不眠は改善できます。あるいは抗不安薬という種類の薬剤を寝る前に飲むことで、不眠に対する不安が和らぎ、睡眠薬と同じような効果が期待できます。

しかし、「薬に頼りたくない」というのも、根強い不眠に悩む人たちの強い希望です。誰でも、風邪薬にしたってできれぼ薬は飲みたくないですから。では、薬のほかに対処法はないのでしょうか?
あります。それが「認知行動療法」です。

思考のクセを修正することで、行動を変えられる

認知行動療法は、うつ病やパニック障害の治療に、薬剤と同等の効果があると報告されている治療法です。やり方はそう難しくありません。

自分の思考のクセを書きとめ、治療者(主に臨床心理士の先生) にフィードバックしてもらう、というのがその方法です。こうしたやり方で、自分以外のひとの客観的な認知の視点に気付くことが、行動の改善につながるのです。上司に怒られたことで「オレはなにをやってもダメだ」と思うのは、ル・オア・ナッシング思考」という思考の歪みです。たとえば、上司は注意した事柄についてだけ、次回から改善してはしいと考えていたとしても、「オール・オア・ナッシング」思考のクセがあるひとは、「全部ダメだ、もうダメだ」などと思いがちです。

こうした自分で気が付かないクセを、治療者の指摘のもとに矯正をしていく「認知行動療法」は、うつ病の患者さんでなくても、日常生活を充実させ幸せに送るために、大変、役に立つアプローチ法です。

思い込み=「眠れないと大変だ」をなくす方法

さて、では、この治療法を、不眠症にはどう応用すればいいのでしょうか?クリニックの扉をノックする前に、ちょっとここで試してみましょう。

まずは、「布団に入っても眠れないかもしれない」「睡眠時間は7時間とらなけれぼならない」という認知の歪みを修正します。眠れなかった理由や、そのときの頭に浮かんだ考えを、記録してみましょう。

日付けていくと、だんだん自分の睡眠に対する認知の傾向がつかめてきます。その傾向をもとにして、「眠れないんじゃないか」と考えた瞬間に「おっとっと、マズいマズい」と、その都度、修正します。そして「1 日ぐらい睡眠が浅くても大丈夫」「寝不足でも、適度に緊張していれば大丈夫」などと、プラスのフィードバックをかけるのです。本当は自分専属の臨床心理士のかたのフィードバックを受けるのが理想的なのですが、こういうやり方もあることを知り、自分の考えを検証してみるだけでも、違うと思います。

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