睡眠中も体の中は活動している 血液がつくられるのも眠っている間

睡眠中におきている大切な働き

睡眠をとっている間も私たちの体と脳は活動しています。細胞や組織の修復にかかわるたんぱく質の合成は、日中よりも眠っている時の方が盛んになります。

脳・・・眠っている間に記憶が定着する
日中に取り込んだ情報の整理や取捨選択、それと記憶の定着は、睡眠中におこなわれています。
しっかり覚えたいことがある場合は、徹夜するよりもいったん眠ったほうが効果があるでしょう。

ホルモン・・・成長ホルモンが集中的に分泌される
深い眠りにおちると、成長ホルモンが大量に分泌されて、細胞の修復を活性化させます。また、眠りの後半(朝方)になると、コルチゾールというホルモンが増えてきて、ストレスに対する抵抗力や免疫力などが強化され、翌日の活動の備えとなります。

心・・・感情を安定させる前頭葉の機能をサポートする
脳の前頭葉には感情を安定させる機能がありますが、これが低下すると感情をうまくコントロールすることが難しくなって、不安になりやすくストレスにも弱くなってしまいます。じゅうぶんな睡眠は脳を休め、この機能をサポートします。

肌・・・傷ついた細胞を修復する
たんぱく質の合成や新陳代謝を促進する成長ホルモンが集中的に分泌され、細胞や組織を修復します。細胞分裂や活性酸素によって傷ついてしまった皮膚の細胞もケアされて再生されます。
ぐっすり眠った翌朝に肌の調子がいいと感じるのは、このためです。

腸・・・翌朝の便をつくる
便は、おもに夜につくられます。食べ物が消化吸収された後、残りカスは眠っている間に大腸へ送られ、翌朝の排便につながります。これがスムーズにいくためには、就寝時間の最低3時間前は食事をしないことが大事です。

睡眠中

血液がつくられるのも眠っている間

身体の中で血液をつくる働きは、肌の再生と同じように、眠っている間におこなわれます。
毎日の生活の中で、私たちは知らないうちに重力を受け続けています。そして、身体を支えたり動かしたりするだけでも、たくさんの酸素やエネルギーを消費していて、血液をつくるところまではなかなか余裕がないのです。
でも、身体を横にして眠れば重力が分散し、消費される酸素やエネルギーも減少します。そこで、私たちの身体はようやく造血を始められるというわけです。睡眠中に血液がつくられる理由は、ここにあるのです。

横になって眠る

頭と心臓が水平になって、重力から解放される

脳へのエネルギーの供給が減る

血液をつくるための働きがスタート!

よく眠り、血液をしっかりつくって健康になる

それなのに睡眠不足によって造血機能が衰えると、貧血になったり、疲労や倦怠感が出たり、免疫力が下がったりします。
血液は、酸素や栄養を運んだり、病原菌から身体を守ったりと、健康を維持するために大切な役割を担っているのです。ですから、血液を身体の隅まで巡らせて健康で過ごすために、しっかり睡眠をとりましょう。