嗜好品と睡眠の関係について触れます。タバコとお酒はどちらも依存度が高く、深入りするとやめるのが難しい嗜好品ですが、睡眠とはどのような関係があるのでしょうか。
タバコと不眠の深い関係
このところ、世間では喫煙所がめっきり少なくなり愛煙家の人は肩身の狭い思いをしていると思いますが、タバコの煙に含まれる成分で身体に大きな影響を与えるのが、有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素などです。
発ガン性物質をはじめ、さまざまな有害物質を含んでいるため、私たちの身体にとって良くないものと広く認識されていますが、タバコは不眠とも関係があります。
ニコチン、一酸化炭素が眠りの妨げになる
ニコチンは胃や心臓の働きを低下させたり、交感神経を刺激して眠りの邪魔をします。
そして、一酸化炭素は酸素の流れを妨げてしまいます。その結果、全身の細胞を酸欠状態にして血行不良を引き起こしかねません。血液の循環が悪くなると、心臓から一番遠い手足の体温がなかなか上がらずに、寝つきが悪くなります。体が冷えることで、睡眠が妨げられてしまうのです。
また、ニコチンの禁断症状が不眠の原因になっているのではないかといった説もあるようです。ニコチンによる禁断症状が現れると、睡眠がさらに邪魔されてしまうというのです。
こうして、布団に入っても入眠するまでに時間がかかってしまい、不眠につながります。
寝酒は身体にいい?
眠れないからお酒を一杯…って聞くけれど、これはホントに効果があるんでしょうか?
寝る前に飲む少しのお酒は心の緊張をほぐし、気持ちのいい眠りに導いてくれます。
深酒をすると、寝つきは良くなるけれど質の良い睡眠は持続しません。
お酒を飲んだあとの睡眠は、アルコールによって身体が一時的に麻痺状態になっていて、強制的に眠らされているだけなのです。そのうえ眠りのリズムが乱れて、浅い眠りとなってしまいます。
人によっては、少しの量でも興奮しすぎて眠れなくなることもあります。つまり、はじめは眠りを誘い、あとに不眠を引き起こすのです。
さらに、アルコールには利尿作用があるのでトイレに何度も起きたり、のどが乾いて目を覚ましたりと、脳が休む暇もありません。
これらが、ますます眠りを妨げることになるのです。
毎日飲むことで、身体はお酒に順応していきます。これによって睡眠作用がだんだん弱まってくるので、同じ効果を得るために必要なアルコールの摂取量が増えてしまいます。
睡眠薬代わりの寝酒は、不眠だけでなく、もしかするとアルコール依存につながる可能性もあるので注意しましょう。
寝る前に飲むのに適したお酒は?
自分の好きなお酒を少量飲むというのがいいですが、利尿作用が強いビールは、寝る前には避けたほうが無難でしょう。
眠りを妨げている原因はほかにも考えられます。あなたの眠りは大丈夫?
快眠のためには眠れる環境を整えることも大切です。
快眠のための環境づくりについてはこちら