夜になっても眠くならずに眠れない病気があります。それはどんな病気で、どんな人に多いのでしょうか?
睡眠相後退症候群
コンビニエンス・ストアやインターネット・カフェをはじめとした24時間営業している店などが増え、深夜でも起きている人が多いのが現状です。そしてその結果、若い人を中心に睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)の人が増えています。
人間には本来、明るくなったら目覚め、暗くなったら眠るリズムが備わっていて、それをコントロールしているのが体内時計です。体内時計を正しくセットするためには、光(太陽光)がとても重要です。深夜でも明るい環境にいると寝つきが悪くなるのは当然なのです。
睡眠相後退症候群の人は、夜眠れないことよりも、朝起きられないために社会に適応できないことが問題となります。明け方にならないと眠れないため、朝がきても起きられず昼近くまで寝てしまうのです。ただ、寝つく時刻は遅いのですが、一度寝つくとぐっすり眠ることができます。睡眠時間は長めのことが多いようです。こういった状態が何ヶ月~何年も続き、普通の社会生活を送るには不都合が生じることになります。
残念ながら、睡眠の時間帯を自分の努力で早めることは、ほとんど不可能だといわれています。無理やり早い時刻に起きると、眠気のほかに、集中力が欠けたり、疲れやすかったり、食欲がでなかったり、頭痛がすることもあります。でも、これらの症状は午前中だけのことが多く、夕方近くなると調子が出てきます。朝の体調不良が続いた場合には、気持ちが落ち込んだり、やる気がなくなるなど、うつ状態になることもあるのです。
この病気になる原因は、体内時計を調整する働きが上手くいかなかったり、体内時計そのものが壊れていることなどが考えられます。それに、この病気の人は睡眠時間が長いことが多くて、体内時計をリセットする朝の時間帯に光を浴びられないことも、睡眠の時間帯が遅れたままになってしまう原因のひとつとされています。
睡眠のリズムを整えるには
- 朝起きたら太陽の光を浴びる
- 朝食をしっかり摂る
- 日中は屋外で体を動かす
- 食事は就寝の3時間前までに済ます
- 就寝前のケータイやテレビは避ける
なかでも一番大切なのは、朝日をおもいきり浴びることです。目から入った強い光が体内時計に作用し、生体のリズムを整える働きがあります。あとは、生活習慣を改善したり、睡眠環境を整えることも大事です。