神経の機能を維持する作用があり、疲労回復に役立つビタミンB群は、入眠障害をやわらげてくれる栄養素のひとつです。
眠りを誘うホルモンのメラトニンを形成するもととなるトリプトファンの合成には、ビタミンB6が必要不可欠です。また、ビタミンB12は、寝つきの悪い人の睡眠リズムの乱れを整える働きがあるといわれています。
肌のビタミンと呼ばれ、血行を良くして肌を健康に保つ、水溶性ビタミンのナイアシン。このナイアシンは、不眠に伴う抑うつ状態の改善に役立ちます。そして、ビタミンB6が欠乏すると、ナイアシンも欠乏します。
ビタミンB群には相助作用があるため、寝つきが良くなるよう相互に働きます。
アミノ酸の一種で、神経の興奮を安定させる作用をもつ神経伝達物質のGABA(ギャバ)は、年齢を重ねるとともに減少し、例えば物音に過敏になるなど、眠りを浅くする一因になります。
GABA(ギャバ)は発芽玄米に多く含まれることで知られていますが、しっかり補っておくことで年齢からくる睡眠障害に役立つと注目されています。
このGABA(ギャバ)の合成にもビタミンB6が関係しています。神経細胞の機能を維持するビタミンB12は、睡眠サイクルの乱れを整える働きがあり、ビタミンB群は、夜中や早朝に目が覚めてしまう人にも役立つのです。
疲れをため込まない習慣をつける
私たちの身体は、年齢を重ねるとともに、肉体的な疲労よりも精神的な疲労のほうが割合を多く占めるようになります。年齢を重ね中高年になると、肉体的な疲労でさえ一晩の睡眠だけでは回復しにくくなるのに、精神的な疲労が強いと疲労感が慢性的になってしまうこともあります。そうすると人は、注意力が落ちたり、動作が鈍くなったりもします。
ストレスなど根本的な原因を取り除けるよう、自分に合ったリラックス法と睡眠を心がけ、日頃から疲れをため込まないような工夫をしたり、習慣を身につけましょう。
疲労回復のためにと眠りすぎると、かえって疲れを増すことになってしまいます。年齢やその人のライフスタイルによっても必要な睡眠時間は変わってきますので、やはり自分に合った生活リズムを見つけて調整できるといいですね。
たとえば、半身浴でぬるめのお風呂にゆっくり入る・足湯につかるのは、自宅でも気軽にできるリラックス方法のひとつです。それから、気分転換にもなるお散歩や軽い運動、ストレッチは、筋肉をほぐして血のめぐりを良くするだけでなく、ストレス解消にもピッタリです。
睡眠は年齢とともに変化する
睡眠は十人十色で、これが正しい睡眠、というものはありません。また、睡眠は量(睡眠時間)よりも質が大切です。
必要な睡眠時間は、年齢を重ねるとともに変わっていきます。赤ちゃんは、一日中ほとんど眠っていますが3~4時間ごとに起きます。これは、レム睡眠とノンレム睡眠が小刻みに訪れるからです。このように一日に何度も眠ることを「多相性睡眠」と呼んでいます。
保育園児になると、だいたい午後2時間がお昼寝の時間となっていて、小学校の学童期になると夜だけ眠るようになっていきます。
こうして、だんだんと睡眠時間が短くなっていくのですが、10歳くらいから成人、壮年期くらいまでは、レム睡眠とノンレム睡眠は同じようなパターンであらわれます。
ところが、高齢者になると眠りを生み出す脳の機能が低下して早朝に目覚めやすくなり、その一方で、昼間に短い時間眠ることが増え、幼児期の多相性睡眠に逆行することがあります。
ほかに、眠れない時に試してみることはこちら